白僵蚕(びゃくきょうさん)

「基源」
科名：カイコガ科/属名：カイコガ属
和名：カイコ/生薬名：白僵蚕(ビャッキョウサン)/学名：Bombyx mori L.の幼虫が白僵菌に感染し強直して死んだものを乾燥させた全虫。
「出典」 神農本草経　中品
「別名」 白姜蚕(びゃくきょうさん)、僵蚕、天虫など
「性味」 鹹、辛/平
「帰経」 肝、肺、胃

「成分」
脂肪絲タンパク・シュウ酸カルシウムなど。
「効能」
鎮痙、鎮痛薬として、小児痙攣、扁桃炎、頭痛、歯痛のほか、中風による言語障害、半身不随などに内服する。
外用としては湿疹、潰瘍などの皮膚病の瘢痕を消すのに用いられる。
「薬理作用」
熄風解痙、化痰散結、解毒利咽。
「応用」
1.肝風内動と痰熱壅盛による痙攣証に用いる。
白僵蚕には熄風解痙の効能があり、また化痰の効能もあるので、以上の証に対して、全蝎、天馬、胆星などを配合する。例：千金散。
脾虚による慢性下痢、慢性痙攣に対して、党参、白朮、天馬などを配合する。例：醒脾散。
卒中による口眼歪斜、顔面神経痙攣に対しては、全蝎、白附子を配合する。例：牽正散。
2.風熱と肝熱による頭痛、目の充血、咽喉腫痛、止痛などの証に用いる。
白僵蚕には虚風止痛の作用があり、荊芥、桑葉、木賊などを配合して、白僵蚕散となり、風熱頭痛、風にあたると流涙するなどの治療に使用する。
桔梗、防風、甘草などを配合して、六味湯となり、風熱による咽喉腫痛に適用する。
3.瘰癧痰核、疔腫丹毒などの証に用いる。
白僵蚕には解毒散結、化痰軟堅の効果があり、浙貝母、夏枯草、連翹などを配合して使用する。
また、白僵蚕の虚風止痒の効能を利用し、蝉退、薄荷などを配合し、蕁麻疹、掻痒などに使用する。
「用法・用量」
内服：煎剤には１日３～１０グラム、粉末にして１日１～３グラム。あるいは丸・散剤に入れる。外用：適量。
「産地」
中国。